母娘のプリンストン留学記
2006-07-28T22:21:28+09:00
tigress-yuko
小2の娘を連れてのプリンストン大学留学記。母と娘、ともに学ぶの記録。
Excite Blog
性格
http://uprinceton.exblog.jp/2928000/
2006-07-28T22:21:28+09:00
2006-07-28T22:21:28+09:00
2006-07-28T22:21:28+09:00
tigress-yuko
Upbringing
自分のことは自分でするように、家族の立場の一員として行動するように育ててきたつもりなのに、娘の性格はちっとも協調性があるふうには育っていない。もともと、自分勝手で、自己主張が強いタイプだったったのが、アメリカで、しかも、自己主張の強いイスラエル系学者の子供達と交わることによって、とどまるところを知らないぐらい増長されてしまったように思う。
私が頑張りすぎるのが悪いのだろうか。期待しすぎか?私が汗だくで一生懸命荷造りをしている横で、テレビをだらりと見ていて平気。食べたものは散らかしっぱなし、着たものもその場に脱ぎっぱなし、これで最後の洗濯よ、と昨日洗濯を山のように済ませたばかりなのに、廊下に汚れたものをぶちまけてある。どうして間際になって、上げ膳据え膳で娘の世話をしなくてはいけないのだろうか?そんなに育ててきた覚えはないのにと、情けなくて涙がでそうになる。
朝だって起きてこない。おこしたら、眠いときに邪魔されるのはとても不快だ、と来た。テレビは止めなさいといったら、アメリカにいられる最後だから見ておきたいとおもっているのに、と口答えをする。片付けなさいといえば、今まさにやろうとしていることを、先に言われてしまうのはとても不愉快だという。
もともとの性格なのか、親に似たのか。アメリカが悪かったのか・・・。
子供との葛藤というのは、多くの家庭が抱えているものだろうが、自分とは別世界だと思ってきた。今の今になって、こんな思いをするなんて、と思う。多分、いろいろ余裕がないから、いやな面が膿のように出てくるのだろう。きっと、問題児というのも、そうやって作られるに違いない。
愚痴っぽいが、記録に残しておこうと思った。将来娘がぐれたら、ここに萌芽があったかと思うことにしよう。笑い話ですむことを祈るばかり。
]]>
サプリメント
http://uprinceton.exblog.jp/2876906/
2006-07-23T08:42:00+09:00
2006-07-24T01:42:32+09:00
2006-07-23T08:42:11+09:00
tigress-yuko
未分類
ダフネー曰く、アメリカの野菜は野菜の形をしてるけど、ほとんど栄養がないのよ。いいオーガニックのじゃなかったら、形だけ食べてると思ったほうがいいという。ヨーロッパなどとちがって、そもそもオーガニックで野菜を育てた歴史がなく、いきなり化学肥料、農薬を使いまくって農作物を育ててきた国だ。土地が痩せきっているため、他の国で食べてる野菜に含まれているだろう、ミネラル等の栄養分は、残念だけどほとんどないと思ったほうがいい。だから、アメリカではサプリメントは絶対大切よ、という。
そういえば、アジやいわしなどの近海モノの魚、サバなどの青い魚などは全く食べていなくて、ほとんど、ツナとサーモン、それにホタテ、エビ等の海鮮類ばかりを食べてるだけだ。
ランチをかねて相談にいったら、薦めてくれたのは以下のサプリ。
①B-complex
Solaray社のもの。
In a base of whole rice and Aloe Vera gel concentrate.
②Ultimate one
Multi Vitamin
Wild Oatsのもの
Mid of the day
③Fish Oil
Omega-3、No Mercury Lead PCBSマークのついているもの。
Spectrum社のもの。一日2粒。2回。
Omega 3,6,9のバランスがとれているもの。
総じて、最も大事なことは化学的な処理で合成されていないものを選ぶこと。自然素材のものは身体が食品と認識するので吸収されやすいのだそうだ。
ブランドでは、Spectrum社とSola社のものに定評がある。
以前ブログでも書いたと思うが、WHole Foodsでは、Counrty Life とBiochem社のが2大ブランドだと薦められた。実際、棚割を二社が多く占めているのは確かだ。が、両者とも化学処理で作っているし、決して評判のいい会社ではないという。
今まで、サプリなんてと軽く考えていたのだが、ここまで深刻な問題だったのか。ダフネーはもともとニューロサイエンティストなのだ。その彼女がかなり勉強したという。昔、ビタミンバイブルというのを読んだことがあるけれど、時代はもっと進んでしまっている。本格的に勉強する必要があるのかもしれない。沢山雑誌とかもあるし。日本にもサプリは蔓延しているが、Whole FoodsやWild Oatsみたいな店すらなく、食品と薬品のハザマの領域ということで、野放し状態な気がする。ブランド選択をどうやってやるのだろう。
その他、検討を要すべきサプリ。
・コラーゲン
・ヒラルギン酸
・コンドロイチン酸
・鉄分]]>
New Jersey Assessment of Skills and Knowledge
http://uprinceton.exblog.jp/2876815/
2006-07-23T08:04:00+09:00
2006-07-23T08:04:35+09:00
2006-07-23T08:04:05+09:00
tigress-yuko
未分類
Language Arts Literacy 221
Mathematics 268
州の定めている基準
250-300 Advanced Proficient
200-249 Proficient
100-199 Partially Proficient
娘は、国語は、Proficientで、算数はAdvanced Proficientのカテゴリーに入っている。一応、Limited Engilish Proficientの認定をもらった。
Language Arts Literacy
娘の成績 可能な総得点 平均値
Total 21.5 40.0 16.5
Writing 7.0 20.0 7.4
Writing about Pictures 5.0 10.0 N/A
Writing about Poems 2.0 10.0 N/A
Reading 14.5 20.0 9.1
Working with Text 9.0 11.0 5.6
Analyzing Text 5.5 9.0 3.4
Mathematics
Total 31.0 33.0 14.0
Number and Numerical Operations 9.0 9.0 3.2
Geometry and Measurement 7.0 8.0 5.4
Patterns and Algebra 7.0 8.0 2.3
Data Analysis, Probability, and 8.0 8.0 3.1
Descrete Mathematics
Problem Solving 15.0 16.0 3.9
試験というのはよくできたものだ。外国人の娘の状況が良く測定されているというべきだろう。結局、writing が弱いのだ。ここをネイティブの子の何倍もやらないと追いつけないということだろう。逆に算数は楽々なのだ。それにしても、1年半ばかりこの国に住んでそれほど英語ができるわけじゃない娘のリタラシーがすでに平均値を越えているところが、この国の成りたちをよく現していると思う。極めて多くの子供達が、外国人以下のリタラシーしかもっていないということだ。それを前提に成り立っている様々の制度。平均よりいいということが、社会的には何にも意味を持ち得ないということでもある。教育の目標値を定めるのが難しい国であるからこそ、家庭が重要だと考えられるのだろう。]]>
Field Trip
http://uprinceton.exblog.jp/2876953/
2006-07-22T08:50:00+09:00
2006-07-23T08:56:53+09:00
2006-07-23T08:56:53+09:00
tigress-yuko
未分類
今日は、娘のフィールドトリップ。コロニアルヒストリーの締めくくりで、プリンストンの植民地時代の歴史コースを辿る。
・Tour/Activities at Morven
・Lunch at the monument of Washington(Park at Borough Police)
・Walk to Nassau Hall
・Walk to Bainbridge House
・Walk to Dr. Beatty's House
・Walk to Princeton Cemetery for Historical Tour
もし親が体験したければ、ご一緒にどうぞ、という企画である。私は一緒に行かなかったけど、娘たちは大喜びででかけていった。Movenは上流の御宅で、そこが一番気に入ったらしく、いろいろ話を聞かせてくれた。]]>
怪談 Green Monster
http://uprinceton.exblog.jp/2871452/
2006-07-20T17:58:00+09:00
2006-07-23T08:31:05+09:00
2006-07-22T18:07:37+09:00
tigress-yuko
Upbringing
コワイ母を怒らせておいて、まだ、ちゃっかり遊ぼうというタフな魂胆の持ち主だ。ちょっと眼を離しているうちに、炊いてあったご飯に、どこで見つけてきたのか、ケーキのデコレーション用の着色料を混ぜて、杵代わりの太棒で餅つきをしていた。餅になると思ったらしい。ご飯が、うげーっとなるような緑の色に染まっている。随分甘いらしい。当然、辺りは、ご飯粒がはじけとび、とんでもないことになっている。それを、鍋に直にいれて加熱している。粘りがでると思ったらしい。
何してんのォーー!!!!
母は怒った。まず、食べ物で遊ぶというのが許せない。それに状況を全く理解しない勝手ぶり、カオスが増えるばかりだ。しかも、今晩食べるはずのご飯を全部使っちゃっているじゃないか。炊きなおさないといけない。
ご飯で遊ぶとは何事だァ、責任を持って全部食べなさい。食べない人は夕食なし。
雷をガツーンと落とした。不味そうな顔で、ぼそぼそとご飯を食べる娘達。ダシャははなから食べる気などない。もう、おなかがいっぱいとか、吐きそうとか、いってのらりくらりしている。娘は自分の分を食べたところで気持ち悪くなったらしい。ダシャの分が残ったと、訴えてくる。問答無用。あなたがやりだしたんだから、責任を持て、とはねつける。娘は、うえーっ、吐きそう、ダシャー、ちょっと手伝ってよ、もう、気持ち悪いよー、死んじゃうよーとうるさい。でも私は許してやるつもりはなかった。この前ももち米で同じ実験をしたのだ。何度言っても全く学習してないのだ。
ついに、娘がソファーに倒れこんで、気持ち悪そうにしている。しょうがない。また、食べられるときにちゃんと食べなさいよ、と譲歩する。カレーを作ってご飯にしたら、食いつくように食べ始めた。なんだ、食べられるジャン、と水を出してやってると、夕方からのカミナリが激化して、空の色が反転するような閃光が光ったとおもったら、すさまじい音がすぐに続いた。そして、電気が切れてしまった。数分後に電気が復旧する日本と違い、こちらでは数時間かかる。わずかばかり残る外の光を頼りに食事をしてしまおうと娘達を急がせる。あっという間に真っ暗になってしまった。何の作業もできない。困ったもんだ。
****
ダシャが、怖いStory Tellingをやろうという。しょーがない、何もできないんだし。一緒に混じってやることにした。ロシアの民話の中に良くあるな、話中の語りとして、ストーリーテリングがなされるの。照明など限られていたころ、人間達が暗闇をすごした、長い長い時間の使い方だ。スイスにいたことろも、何となく手持ち無沙汰というとき、
Erzaehle mir deine Geschichte.
(Tell me your story.)
と言われて閉口したことを覚えている。おしゃべりじゃなく、語りだ。一人で最初から最後まで語りつくさないといけない。物語というのは、口承の長い長い伝統があるのだ。何となく、厳しい自然、貧しい歴史のある国ほど、豊かな語りの文化があるような気がする。
ダシャがはじめた。ロシアの伝統なのか、ものすごく、上手い。一人でどんどん話していく。ちょっとジョークが混じった語り。娘は、番町皿屋敷に挑戦した。ダシャと比べるとつっかえつっかえつつだが、まあまあの出来。私はこの前の、首なしパトカーの話をしてやった。
ダシャは、執拗に怖い話をしようといっているくせに、人一倍怖がって、私にしがみついてくる。そして日本の怪談ほど怖いものはない、と両親の口癖を真似する。私は、ホラー映画もみないし、邦画もほとんど見ないのでわからないのだが、日本のホラー映画はかなりの人気で、ダシャの両親も、ダフネーも相当見たらしく、なんであんな怖いことを考え付くのか、すごいこわいという。それでいつかyukoと一緒に見て、日本人は平気なのか、やっぱり怖いのか、どんな風に怖いと思うのか、是非意見を聞きたいといっていた。そんなァ、アタシ、ホラー嫌いなのよ。
2度目の番、娘は、自分の創作に挑戦した。ダシャという名前の女の子の身の上に起こるはなしだ。
When Dasha was sleeping in her bedroom, she heard the screaming voice outside of the door.
Dasha, Dasha, I feel so sick, help me....please.....
Oh, Hana, please, you did not die because of the Green Rice? Stop it, please.....
Yes, you are all correct. Dasha wanted me to cook the rice, but she did not help eating it. Hana has to eat it all alone, counting.....
One more spoonful, then one more, one more....
Stop it.
But Dasha never seemed to help Hana......
Stop it.
Then the door opened.
Oh, there stood Hana, her body totally turned Green, all over her body.
Oh, stop it....
Golgi burked and burked like he never did before...., and he jumped onto the green monster....
Oh, hana!!
Then he started to lick the green monster...
Oh, Golgi you would die....
Then out of the green skin appeared Hana.
Hey, Dasha, I painted my body with the rest of the green color stuff.
Isn't it cool?
私は、耳なし法一に挑戦した。平家の落ち武者など、怖く聴こえるための背景というのが共有されていないところで、怖く語るにはどうしたらいい?なんて考えながら。日本の怪談が怖いのは、やっぱり長い語りの歴史があるからに違いない。それにキリスト教のしばりがなかったから、怨霊、亡霊を遠慮なく登場させられたしね。声色を使っている最中、ドアをノックする音がした。
一同、ぎくっつ。アナだった。こんなに暗くちゃどうしようもないから、映画にいかない?という。子供達は、大歓声を上げる。真っ暗になったスタンワース一角では例によって信号すら停電し、パトカーが白円筒を焚いて交通規制を行っているというのに、街中は平常どおり。きっと、スタンワースの人たちは勉強しすぎてるから、休みなさいっていう神の思し召しね、とアナ。仕事がはかどらない天罰かと思った私は、そうとう悲観的な人間だ。
まさか引越の真最中に、Pirates of Caribbeanを見ることになるとは・・・。ジョニデ、かっこよかったけど・・・。アナにジョニデ好きと聞かれて、うん、と答えた。アナも好きらしい。ジョニデを嫌いという女がいない。パイレーツ、大ヒットするわけだな。三回目が前提で作られた二回目で、シメがなかった。
***
本文とは全く関係ないのだけれど、ジョニデの何がいいって、帽子。チョコレート工場はシルクハットだったけど、海賊ハットはもっとカッコイイ。何がいいって、顔が角ばってて、結構大きいのに、似合うところ。こういう帽子、欲しい。]]>
Second Life
http://uprinceton.exblog.jp/2857297/
2006-07-19T23:17:00+09:00
2006-07-28T18:08:28+09:00
2006-07-20T23:39:04+09:00
tigress-yuko
未分類
Paulとランチ。Korean & Japanese Restaurantで、ブルコギを食べた。甘かった。
Branding in Chinaの英訳にPaulが眼を通してくれ、とても面白かったといってくれた。きっと出版できるだろうという反応。英訳も揃ったし、ありがたいことだが、いくつもプロジェクトが走っているので、それにかかりっきりでうんとコミットできないところが泣き所で、それが私の人生ってかんじだ。
Paulは私のElephant Designのケースをとても気に入ってくれている。これもちゃんと本にしたら相当おもしろいテーマだったけど、今、現実が進みすぎてしまっている。全ては場の本がもたもたしているために、いろんなことの脚を引っ張っているのだ。イヤになってしまう。
今日、盛り上がったのは、Second Lifeの話題で、新しいもの好きのPaulが興奮して語ってくれた。バーチャルライフのサイトで、全てのモチーフがネット村で売買されていて、住人はそこで、Second Lifeを送っているのだ。はじめよく意味がわからなかったが、ようは、アバターを作るみたいにして、自分の生活、人生をそこで組み立てるのだ。
私のブログは、シンプルな日記スタイルなので、コミュニケーション機能をほとんど使っていないけれど、より匿名でバーチャルコミュニティに入り込んだブログだったら、アバターとか凝って作ってみたいなと思ったりする。ヤフーでネックレスが200円とか、背景が500円というのをみると、自己表現というのは不思議な世界だと思う。現実の世界でもファッションにお金を使う人ほど、アバターにもお金をかけるのだろうか?
Second Lifeでは、アクセが変えるだけじゃなくて、鼻の高さとか、唇の形とか、身体の細部に入り込んで、アバターが作れる。ちょっと、やってみようかとおもったけど、ゼロから自分を創ってみろ、といわれたときに、どんな身体が欲しいのか、途方にくれてしまった。そのうちやってみるかも。その調子で家も建てられちゃうので、本当に空想生活だ。Paul の評価は、既存のゲーム形式をとらずに、世界を構築する手法をつくったことだそうだ。プレイヤーの数が、非限定的でめちゃくちゃ多数だと、全く異なった世界になる。
なーんて話に、音楽の話をしてしまったものだから、ぼそぼそぺちゃくちゃと話がはずみ、何かいつもアカデミックな話にならない私たちである。とはいいつつ、現場主義の源泉をどう解釈するかというトピックで、実は現場主義はアメリカ発じゃないかという私の話を、もしそれがほんとだったら、メチャクチャ面白いといってくれた。アメリカでの理解は、現場主義モデルを主張したきちがいみたいな人がいて、誰も彼の言うことを聞かなかったので日本に行き、それが広まったというものだということだった。
奥さんキャロルのお母さんが危篤状態で、キャロルは病院を言ったりきたりという毎日が続いているらしい。意識がうっすらあるけど、ほとんど混沌状態らしいところが悩ましいところらしい。おなかがまたいっそうぷくんとした感のあるPaulをみて、長生きしてほしいなと思ったのだった。
***
書いているうちに、フェンシング仲間のサムからメールがきた。フェンシング界のディスカッションボードの情報。その世界でのハンドルネームをくれた。その世界に繋がっててね、ということ。日本に帰ってから、プリンストンでの世界をどうsecond lifeにできるか。ちょっと考えているところ。]]>
最後のレッスン
http://uprinceton.exblog.jp/2842333/
2006-07-18T11:09:00+09:00
2006-07-21T01:22:42+09:00
2006-07-19T11:09:56+09:00
tigress-yuko
Fencing
今日は、火曜日のエペクラスの最後のレッスンだった。金曜日からチャックたちはローマに旅立つ。今日は人数が少なかったが、サムと息子ビヨルン、チャック、私、そして娘にダシャ。
サムを相手に、試合が随分できるようになった。1年の成果としては相当大きいだろう。結局、なんだかんだと、一番密度高く顔を合わせた人たちだ。名残惜しい。フェンシングを是非、続けて、再会できたらいいなと思う。英語のblogに挑戦しようかな。
写真をみると、身体つきが、フェンサーになってきたかも・・・・.
]]>
島崎さん
http://uprinceton.exblog.jp/2835732/
2006-07-17T19:03:00+09:00
2006-07-21T01:21:57+09:00
2006-07-18T19:03:51+09:00
tigress-yuko
未分類
7月17日
今日は、東京から、NTT出版の島崎さんが訪ねてきてくださった。場の本の編集を担当してくださっている。この本はもう、15年ごしぐらいの勢いの本で、出版を決めてからでももう5年ぐらい経ってしまったのじゃないだろうか。今回の滞在で書き上げるはずだったのに、まだ、終わっていない。最後通牒ということで、励ましとプレッシャーをくださりにわざわざ来てくださったのである。
島崎さんは、1992年にベルリンに滞在していたときにも、ベルリンに来てくださったことがあり、その時に、場の本は島崎さんにお願いする、と決めたのだった。経済関係の重鎮の先生方の著作を長年にわたって手がけてこられたベテランの編集者で、私のような若輩ものにはもったいないことだ。
ベルリンにいらした島崎さんを、当時のネオナチカフェやら、Cafe Einsteinやら、ベルリンのキャナルツアーにお連れしたのを思い出した。あのときは、世界は自分のものだ、ぐらいに思ってる高慢ちきな若い女だったのに、今は、姑息延々の中年女になってしまった。でも相変わらず風呂敷だけが大きい私に、最大限の寛容さでもってつきあってくださっている。
プリンストンでは、Cafe Einsteinならぬ、Einsteinの家、大学、お屋敷街にラテンクオーターなどにお連れした。でも、何よりも喜んでいらっしゃったぽいのは、プリンストンジャンクション駅とプリンストンを結ぶ汽車だったような気がする。こんな形のペンタグラフなんてみたことがないと相好を崩していらしゃった。鉄くんなのだ、島崎さんは。
仕事が進んでいないことから、お目にかかるのに相当プレッシャーを感じていたのだが、いつものように、紳士的で柔らかい物腰で、他の先生方の武勇伝などを聞かせていただき、励ましてもらった。前向きでがんばろうっと。]]>
Chuck 一家
http://uprinceton.exblog.jp/2837922/
2006-07-16T22:19:00+09:00
2006-07-18T22:39:33+09:00
2006-07-18T22:25:40+09:00
tigress-yuko
Occasions
今日は、チャック一家をディナーにご招待した。奥さんのタニヤ、お嬢さんのキャシー、の3人。
はじめは日本食レストランに出かけるつもりだったが、あいにく、皆の都合のいい今日は、休業日だ。難民キャンプ状態の我が家、お客さんをすれば一気に片付くのではという期待もあり、思い切って、我が家にご招待した。
うちは、なんだかんだとぐうたらで、誰も自分からテキパキ片付けようとしない。唯一、お客さんのあるときだけはリキを入れて片付ける。娘もそれが習い性になってしまい、どんなにどやしても一瞬手伝うだけですぐ、別のことに気を取られ、散らかしにかかる。チャックがくるとあって、若干本気度が高まった。昨日から、娘をどやしながら、本周りの荷物を分別し、パッキングし、捨てる作業を延々と。
ようやく後片付けの目処がついたのが3時ぐらい。あわてて買い物にでかける。本当は朝材料調達に行くべきなのだが大いにずれ込んだ。冷やし中華を作ろうと思っていたのに、チャイニーズマーケットに行ったら今日はない。冷麺というのでつくるかと思ったら、袋の口が全部開いてしまっている。ひどい品質管理だ。散らし寿司に変更した。買って帰ったホタテも腐っていて、散々だった。
チャックたちに、冒険の人生ばなしを聞く。二人はミシガン大学の学生時代にフェンシングクラブで知り合い、周りを圧する実力の持ち主という絆で結ばれた仲なのだという。キャシーが生まれたころに、チャックは仕事をやめ、所持金全部を費やして、セイリングボートを買い、航海の旅にでかけた。その後も、キャビン付きのボートに買い換えて、海で暮らしていたのだそうだ。海の上で育ったキャシーは、生まれたときから泳ぎが得意で、今は、ハイスクールの水泳選手。しっかりとした肩をしている。チャックが家族の歴史を語ると、そうやって、私の大学の学費を使い込んじゃったのよね。なんて冗談を飛ばす。
チャックは、タニアやキャシーにもフェンシングをさせたくてしょうがないようで、いろいろ画策しているようだが、二人は、そんなに熱いわけじゃない。嫌いだというというわけでもなさそう。タニアは今はむしろゴルフをしたい気分なのだといっていた。ハンティング話も聞く。いろいろ、いろいろ、やってきた人で、とても話が面白い。でも、家族だったら、大変だ。ハンティングには一緒に行くのと聞いたら、首を振る。チャックがハンティングに出かけている間は私たちの休暇なのよ。
いただいたお花を活けたら、がさがさしていたところに、潤いが戻ってきた。母が、花を活けるというのは、花から精気をもらうことだといつもいっているが、強烈に実感した。]]>
「構え」と「運び 」
http://uprinceton.exblog.jp/2824346/
2006-07-15T14:21:00+09:00
2006-07-18T21:07:04+09:00
2006-07-17T14:25:42+09:00
tigress-yuko
Fencing
Private Lessonの最終日。来週の金曜日からChuckたちが、ローマでの合宿に出かけるため。夏休み強化練習中の高校・大学の精鋭チームと一緒になる。マジ、フェンシング道をまっしぐらの男の子たちだ。18ぐらいで鍛えきった男子というのは、なんと迫力があるものだろうか。たった4人なのに、熱気で部屋がとても小さく感じる。
火曜日に引き続き、アドバンス→突きの、練習。しだいにランジェ→突き、アドバンス・ランジェ→突きを混ぜていく。
腕をまっすぐ伸ばし切り、ちょんと突きにならないようにするために、打った後も、ずっと剣先を相手の身体の残しておくよう指導を受ける。
この練習は、様々な距離に対応してフットワークを柔軟に使い分ける練習であるとともに、徹底的にスピードを上げる訓練らしい。
・アドバンスヒット:腕を延ばす→すばやく脚をタタッと腕にあわせる。
・ランジェヒット・腕と脚が同時
・アドバンス・ランジェ・ヒット:腕が後。
脚を大きく踏み出すランジェと比べると、アドバンスヒットは、瞬間芸。タン、タ、タだ。これを繰り返しているうちに、とっさにスピードを出せるためには、腰を深く下ろして、膝を深く曲げておかないといけないことがわかってきた。ランジェみたいに踏み出しもしないでそのまま、タ、タと動くから、狂言の太郎冠者みたいな、ひょこひょこした所作である。
雄雄しいランジェと比べても、このタ、タを生み出すための腰の沈める構えが実はとても緊張を強いられるポーズであることがわかる。タ、タのリズムで能がでてきてしまうのは、もう、自分が日本人以外の何者でもないな、という感じ。でも、その身体イメージを使って、動きがモノにできるなら、何でもいいや。ここ1週かんぐらいほぼ毎日1キロ泳いでいるので体調がとてもよかったせいもあるのだろう。
「そうだ、腰を低く低くして、その位置をふらつかせないでキープして。」
「そのままランジェ!」
そうか、腰のポジションがいつも高くて、立ちんぼポジションだから、ランジェしようとすると、かがみこまないといけない。よっこらしょ、どすこい、って感じになり、スピードはその分ロスする。屈み構えだと、すぐ、前に平行移動するだけでいい。
能の構えって、静的に見えるけど、ものすごい動を含んでいたんだ。
【構え(かまえ)】 重心を低く落として力を溜めながら立つ基本的な姿勢を『構え』と呼びます。演じる役柄で『構え』は微妙に異なります。女性は肘を張らずに体のラインに沿って構え、男性は少し両腕を張り、足も開き加減にして全身に力をみなぎらせます。鬼や山伏では肩肘で更に大きく横幅を出します。
【運び(はこび)】 能独特の歩く型を『運び』と言います。歩行の芸術とも言われる能楽は、摺り足で進むことが基本で、踵を極力床から離さずにつま先だけを上げて歩きます。シテ方の面がブレることを避けるための技術が発達したものと思われます。
フェンシングのトレイニングの一つに、踵でコインを踏んだまま、ランジェして、コインをまっすぐ前方に飛ばす、というのがある。これは踵がずっと床に密着しないと出来ない技。すぐに、ランジェに移れるように、つま先に重点をおかず、踵に重点を置くのだ。上の記述も、面がぶれるのとは別に、次の動作にすばやく移れるという根本的な理由があるんじゃないかしら。
【鬼の構え】 鬼の『構え』は、静かな能の中でも大きなスケールを感じさせる姿勢となっています。他の役柄よりも重心を低く落とし、両手両足を大きく開いて強さを表します。
ヨーロッパでは17世紀から18世紀にダンスがシステムとして体系化され、それまで剣術を極めていた王侯貴族がダンスに血道を挙げるようになる。軟弱とも思えるが、ルイ14世を描いた映画、『王は踊る』などみると、剣術よりさらに動きがハードかもしれない。能と剣道の関係やいかに、なんて考え出すとキリがない。音楽と武術の間にあるのはダンスのような気がする。能もダンスとして、動きを分解してみることができたら面白そうだ。
写真とイタリック部分の引用:以下のサイトに「構え」と「運び」の動画があるので興味ある方はどうぞ。
出典:IPA「教育用画像素材集サイト」 http://www2.edu.ipa.go.jp/gz/
***
翌日、膝まわりがバンバンに張ってしまった。]]>
掌は、たなごころ
http://uprinceton.exblog.jp/2823623/
2006-07-15T12:14:00+09:00
2006-07-17T15:05:46+09:00
2006-07-17T12:29:16+09:00
tigress-yuko
Violin
娘
前回が、音をかっきり、メカニックに出すレッスンだったのに対し、今回は、弓を大きく動かして、音楽が一つながりのメロディになるように、弾く練習。エミリーは、今日は、グライダーだった。グライダーが風に乗って飛んでるような気持ちで弓を動かしてごらんと。随分、バイオリンらしい音になるものだ。
前回、弓をもつ親指を曲げて、フロッグにかけるとならってやってみたら、指が痛くなってしまったと訴える娘に答えて、弓の毛をはずして、カラフルなプラスティックのサックをはめてくれた。小さな子供が鉛筆を持ち始めるときに使うものだという。色とりどりのマーブルカラーのサックをもらって、娘は御機嫌だ。
暫く前、娘に新しい弓を買ってやったのだが、毛に着色してあるのが売っている。ピンクを欲しがる娘を抑えて、ナチュラルにしておいたが、カスタマイズしたい年頃なのかもしれない。弦も、いろんな色のがある。
私
前回あんなにいいレッスンを受けたのに、さすがに練習なしだとやっぱり弾けない・・・。それどころか、今、荷造りで重い本入りのカートンを運んだりしているせいか、指ががちがちになってしまっていることがわかった。無念。事情はわかるわというエミリーの言葉に甘えた。
弓の持ち方を根本から習いなおした。
・フロッグの角っこに、親指のツメのはしの固くなってるところをあてて引っ掛けるようにする。
・もう片方の隅がツメの真ん中に来るように。
・親指を90度内側に折り曲げて角度を作ること。これが反り返ってしまうと、指で丸いアーチを作れなくなる。
・人差し指で強くプレスし、コントロールする。出だしの音、止め。
音楽は手のひらで弾くのだ、と言うのを知ってはいたが、こんなに、5本の骨を微妙にコントロールしながらの感覚であることが初めてわかった気がする。
これだけ、指のホールドがしっかりできてると、いろいろな弾き方ができるようになるわ。力強い艶やかな音も出るけど、この丸いアーチを崩さないようにして、この形のまんまで吊り下げるみたいにして弓を持つと、とても柔らかいおとになるわ。やってみて。
うーん、ほんと。
今、エミリーは、大きな家に一人。指揮者の旦那さんが、ツアーでNYにいるという。娘より1つ年上の息子もそれに同行しているのだそうだ。いろいろな家庭で、働くお父さんの身近で、子供達が過ごす夏休みだ。何よりのサマーキャンプじゃないだろうか。犬も一緒に連れて行ってしまったので、家の中は、シーンと静まり返っている。その分、普段は溜息をついたり、集中できてないこともあるエミリーが、絶好調だ。二人で1時間の約束でレッスンをお願いしているのに、いつも2時間ぐらい見てもらってしまっている。
これまでのお礼に、来週、日本食にご招待することにした。華のシングル生活とあって、いい日本食やさんがあるの、といったら、目を輝かせていいわねェという反応。やっぱり普段は主婦の縛りがきついんだろうな。女が家庭の縛りから本当に開放されたら、世界は大変動を起こすに違いない。女3人のディナーだ。愉しみ。]]>
難民キャンプ
http://uprinceton.exblog.jp/2813739/
2006-07-14T05:43:00+09:00
2006-07-16T06:38:13+09:00
2006-07-16T06:24:02+09:00
tigress-yuko
未分類
先週、娘と一緒にカートンボックスを調達してきた。Cathyに薦められてリカーショップにて。酒屋というのが、本当に判で押したようにインド人経営なのが不思議だ。ガススタンドもそう。一度いったら、火曜日が在庫補充日だから、火曜日にくるとたくさんあるよと言われて、今週も行って逞しく調達してきた。
10箱ぐらいで、本は何とかなるかなと思ったけど、甘かった。論文を書くのに家に閉じこもり、one clickでアマゾンに発注するというモグラ生活をしていたのだ。こんなに量があるとは・・・・・。net 社会の恩恵で、全部、電子化していればいいのに、ここで、紙化したばかりに!!
でも紙メディアをやっぱり捨てられない私である。オンラインだけで仕事すると目がやられてしまう。本のパッキングは、慣れっこのはずなのに。書類やペーパー類を捨てる判断をしつつ作業がやっぱり時間がかかる。
1年半でこんなに垢をためたのか、たっぷりついてしまった脂肪だってあるのにと、陰鬱な気持ちになるのだった。結果がでてなくて、脂肪ばっかりためたのかよ、と泣きたい気持ち。でも10年でなくて良かった、ちょとずつ、快適になってるとか、前向きな言葉を自分で見つけてやらないとやってられない。
その上、長い長い夏休み、三度三度のご飯を作ってるだけで時間が過ぎていく。他の、イスラエル人一家は、それぞれの事情で、子供まで手が回らないらしく、ひどい食生活だ。昼も夜も、家で火を通した食事を作っていないのじゃないだろうか。乾いたパンが一切れっていう有様だったりする。娘をお昼によぶと、子供達がうらやましそーうな顔をしていたり、Can I eat with you?と聞いてきたりする。何だか愛おしくなっていいよいいよと作ってやっているのだが、ついに、いつも誰かが食事をともにしている状態になってしまった。食べざかりの子供達が4人、スイカを切っても切ってもあっという間になくなっていく。難民キャンプの賄い婦というのが今の私の最も適切な役割記述だろう。
パッキングをしつつ、ご飯をつくり、買出しにいき、子供達を午後図書館に連れて行き、夕方プールに連れて行く。図書館で子供達がコンピュータに埋没している間に仕事をする。
日本人はそういうところが優しくて、イヤだといえないので利用される、という悩みをよくお母さん達が持つようだ。私は、まあはっきりしようと思えば言えるタイプだ。だから、嫌だったら、Noといえるのだけれど、自分の人生の一時期、ちょっと寂しい思いをしている子供達にほんのちょっと、アジールを与えてあげるという経験をしてみたい。人の子も自分の子供みたいに可愛がれるのだろうか、という課題に、ちょびっとだけど挑戦してみたい。
今日、キャシーがやってきて、箱の山をみて、あらー、と深く同情してくれた。数日後にスペインの休暇に出かけるので、彼女も、結構慌ただしい毎日だ。手伝ってあげられたらいいのにといってくれた。ココじゃ、気持ちが落ち着かないだろうから、うちを使ってもいいわよと申し出てくれた。この箱を誰がどこに運ぶの?と聞き、私が一人でやるといったら、パーキングがタイヘンよね、近所のティーンの男の子を紹介しましょうか?運ぶの手伝ってくれるよ、と早速教えてくれた。苦労している人は苦労がわかるのである。
娘も、結局は、お勉強なんてできなくていいから、難民キャンプでも、しぶとく生きていけるような、がさがさしたなかですら、本を読んだり、音楽を楽しんだりできるような、人生を歩んで欲しいものだと思う。そのためには、いい経験をしてるかな?]]>
国際社会の娘
http://uprinceton.exblog.jp/2809805/
2006-07-13T20:58:00+09:00
2006-07-18T18:25:59+09:00
2006-07-15T20:58:42+09:00
tigress-yuko
未分類
「オハヨウ、ダシャ、どうしたの?」、と聞くと、
「パレスティニアンがおじいちゃん、おばあちゃんの住んでる街を爆撃してるの・・・。」
「えっ?」イスラエルがレバノンを爆撃したんじゃなかったか?
ダシャの両親はともに90年代にロシアからイスラエルに移住した家族で、お父さんの方の家族はハイファの近くの小さな町に、お母さん方の家族はハイファに住んでいる。
「たくさん爆弾が落ちて、町から皆逃げてるんだけど、おじいちゃん、おばあちゃんはとても年をとっているし、車を持っていないの。どうやって逃げるのか、私は心配でたまらない・・」
ハイファにいるお母さん方の家族の方にとりあえず避難する予定だが、爆撃が酷くて、道が塞がれそうになっているという。
青い顔が紫がかってみえる。
起きてきた娘が、無邪気に言う。
「大丈夫だよ、軍隊が来てやっつけてくれる。」
「戦争が多すぎるから、軍隊が来る頃には沢山の人が死んでしまう。それに軍隊が来て爆撃を始めると、ますます沢山の爆弾が使われることになるの。死ぬのはいつも、普通の人だよ。」
「そんな悪いパレスチナ人は、徹底的にやっつけちゃえばいい。」と、何だかアメリカ人みたいなことを、娘が言う。
「戦争というのはそんなに簡単なものじゃないのよ、ハナ。」と、ええ、イスラエルはレバノンのどこを爆撃したんだっけ?と、やっぱり平和ボケの母親は、グーグルでサーチして地図を出してみる。娘達はかぶりつきでみている。
「イスラエルがレバノンを攻撃しているの。それに対して、各地のパレスティナ人がゲリラ的に反撃したのでしょう。」パレスティナ人のハイファ付近への攻撃はニュースになっていない。
「ええっ、じゃあイスラエルが悪いの?」と娘がいい、ダシャが口を引きつらせる。
「もともとは、イスラム教の組織が、イスラエル兵を捕まえてしまったのね。それに対して、イスラエルはその組織を徹底的に破壊することにしたの。首相は、報復のロケット攻撃があっても実施するって言ってるらしいわ。」
「じゃあ、やっぱりイスラムが悪いんだ。」と娘。
「でも、ここまでくるとどっちが悪いとはもういえないでしょ。喧嘩と同じだよ。きっかけは足がひっかかったとかそんなことだったのに、どんどんエスカレートして、大喧嘩になることがあるでしょ。この地域では、二つの民族が、昔から、ずーっと喧嘩をしてきたの。難しい問題なのよ。」
「誰も戦争なんて望んでいないのに、戦争とは関係のない普通の人たちがいつも巻き添えになるの。どうして、平和に仲良くすることができないのか、私にはわからない。」とダシャが声を荒げる。
「きっと、大丈夫だよ。」と、娘。
「ハナ、そんなこと軽く言っちゃダメよ。ダシャの気持ちになってごらん。数日前に北朝鮮が、日本に向けてミサイルを発射したのを知っているでしょ?北朝鮮から、富山のおじいちゃんおばあちゃんのうちはとても近いのよ。爆弾が届く距離なんだよ。北朝鮮が持っているのは、核爆弾であっという間に人間が溶けてなくなっちゃうぐらいの威力があるの。」
「そのニュース、私も聞いた。」とダシャ。
北朝鮮と日本の地図をネットで出してやって、二人の娘にちょっとしたレクチャーをしてやる。
「でもさ、もし北朝鮮がミサイルを発射したら、アメリカが助けてくれるんだよ。Ms.Roundsが言ってたよ。日本とアメリカは友達で、互いに助け合う約束をしているって。アメリカは強いから北朝鮮なんてすぐやっつけられるよ。」
「でも、核というのはめちゃくちゃ強いから、2つの国がお互いにミサイルを発射しちゃたら、日本や北朝鮮、韓国は皆消えてなくなってしまうのよ。普通はね、だから、核を持っていたら、手をだせないでしょ、大変なことになるから。だから皆、核を持ちたがるの。弱い国ほど、持ちたがるの。弱虫がナイフを持ちたがるのと一緒だよ。自分の国がものすごーく追い詰められて、食べるものもないし、お金もないし、もうぎりぎりになったら、もういいや、自分も死んでもいいから、相手も死なせてやれ、と思う気が狂った人がでてきたときに、困るの。だから、何とか、話し合いで解決するように努力しているの。」
「だけど、くるくるパーの人と話はできないよ。」
「そうねえ、どうしたらいいんだろうね。全然、話が通じない人と話をするにはどうしたらいいだろう。難しいね。ハナも、はじめ、テイのこと、バカにしてたでしょ。頭も悪いし、太ってて運動もできなくて可愛くないって。でも、いろいろ、話をしていくうちに仲良くなったじゃない、一番の友達じゃないにしても。テイは敵だと決めちゃったら、そうはならなかったんじゃないかな。難しい問題だけどね。」
「爆弾、当たったら痛いの?」
「うーん、ワカラナイ。けど、爆弾は直接当たるわけでもなくて、熱で焼けどしたり、熱風で息ができなくなったり、いろいろなの。核爆弾だったら一瞬で死んでしまうわね。」
「一瞬だから、痛くないってお父さんが言ってた」とダシャ。
娘たちは二人とも黙りこくってしまった・・・・。
こんなとき、どんな言葉があるというのだろう。
「ダシャ、ダシャのイスラエルの家族にとって、一番、守ってあげたい、宝物はダシャなんだよ。一番ちいちゃくて、可愛いでしょ。ダシャが今、たまたまアメリカにいて、平和に暮らしているのはきっと皆にとって安心できることじゃない?避難するときに子供がいる家族はもっと大変でしょ?おじいちゃんおばあちゃんには、おじさんもついているし、お母さんの両親もハイファにいるでしょ?きっと、家族で助け合って、安全な場所を探して逃げられると思うよ。ダシャのお父さんお母さんもとても心配してるでしょ。だから、お父さんお母さんをそれ以上に心配させないように、ここで元気でしていられるように頑張ってごらん。ダシャがそんな顔していると、ますます心配なことが増えちゃうよ、そう思わない?」
ダシャはこくりと頷いた。
***
ダシャのお母さん、Annaに様子伺いにいったら、家族とは連絡を取り合ってるし、全然大丈夫、といって、そんなに心配はしている様子ではなかった。ダシャには、ちょっと虚言癖みたいなところがあり、ことを過剰に受け取り、過剰に表現する傾向があるようだ。でも、それは、子供の感受性なのだと思う。
私が5歳のとき、うちの両親は広島の原爆ドームに私を連れて行った。まる焦げになった馬や、人の髪の毛などが眼に焼きつき、その後、私は、悪夢の世界にずっと住んでいた。傍目でみるときっとそんなことを私が覚えているとは思わなかったのかもしれないが、夜寝るときもずっとずっと、その世界が頭のなかに去来していた。どうして人は人を殺すのだろう、人が死ぬときは何を考えるのだろう、延々と答えのない問いを問い続けた。小さい頃、誰にも言われないのに、勝手に教会に通っていたのも、聖書の中に出てくるハンセン病やハルマゲドンの記述に興味があったからだった。
思春期になるといろいろ忙しくなってそういう余裕が自分の中になくなった。戦争の問題も、政治問題として抽象的に捉えるようになった。多分、その時期、今の娘達の年頃ぐらいが、論理でなく、身体感覚として問題を捉えられるのじゃないかと思う。
ロシアからイスラエル、そしてアメリカにわたって、この世の激動を生きてきた小さいダシャの心の中は、きっと、強烈にこの世の悲惨が渦巻いているに違いない。やせっぽちのダシャの身体をぎゅーっと抱きしめてやることぐらいしか、私にはできないのだけれど・・・・。]]>
USFA Tournament
http://uprinceton.exblog.jp/2795783/
2006-07-13T01:10:00+09:00
2006-07-16T05:42:02+09:00
2006-07-14T01:34:44+09:00
tigress-yuko
未分類
June 17, 2006
US Fencing Associationの公式トーナメントへ初参加した。Morristownという街。行き方をマップクエストでプリントアウトし、それを頼りに、運転する。トーナメントの時は蜂蜜がいいとチャックに言われて、買い物にいったりして、準備万端だったはずなのに、例によって、道が予想以上に込んでいた。
Morris townは典型的なred neckな場末町で、206を降りた辺りから、道路の様子が一変した。メチャクチャな運転。ぶっ飛ばし、方向指示も出さずに車線変更。車線変更のサインを出していても、平気でつっこんでくる。会場が街のど真ん中だったので、街中に入ってからがまた大変。分岐点をつないだだけの、直線的な指示しかない。ホイールの真ん中にdirectionの紙をおき、四方に眼をやりつつ、地図を読む。迂回、一通、ロータリーの連発で、一つ間違えると、ドミノ倒しで目的地から遠ざかってしまう。標識も壊れているし、ロータリーで、標識の矢印が傾いている。それに路肩にも車を止め放題だ。二重駐車まで。もう、野性の勘だけが頼り。
会場は、いかにも、犯罪ものの映画に出てきそうな、駐車場の裏にあるスケートリンクだ。ミリオンダラーベイビーに出てきたジムみたいな感じ。プリンストンからくると、もう次元が違いきっていて、日本よりも外国みたいだ。こんなところでフェンシングやってるの?一体全体。誰も知っている人がいなくて、手続きを係りの人に聞きながらすすめる。何かとてもナーバスになってくる。リンクに降りていくとエリザベスなど顔見知りにであった。
開会の辞みたいなものもなく、トーナメントの組み合わせが発表され、すぐに総当り戦。これで、トーナメントの順位を決める。皆長年フェンシングをやっている人たち。ティーンは元気一杯で疲れを知らないし、ベテランの中年の人たちはしぶとい。総当り戦は5ポイントマッチで、6試合のうち1試合しか勝てなかった。めちゃくちゃな成績。大体ここで気持ちがメゲルのだけど、大事なのはdirect nominationなのだ。気力と体力を使い果たしてはいけない。
総当り戦で対戦した中に、めちゃくちゃ巨体という人がいて、身長がおそらく190cm以上はあった。バレーボール選手みたい。そんなに上手くはないのだが、これだけリーチが長いと、身体にどうしても届かない。普通だと、double touchesになるところを点を取られて負けてしまった。最終的にこの人が優勝。私はこちらでも背が高い方だから、背の高さを生かした戦い方をしている。でも、こんな人たちとやるんじゃ、小さくて敏捷な人のフェンシングに変えないとだめだ。むしろ、もともと背が小さい人の方が有利かも。
総合で第2位になった人とも、総当り戦で試合をしたのだが、経験が長いようで手堅いフェンシングをするのだが、そんなに上手くはなかった。4-5で負けたのだ。その人が2位なのだから、たいしたことないっっちゃあ、たいしたことのないトーナメントだ。
今日は、自分的にはセミファイナルには行きたいなと密かに狙ってた。といっても、4回勝で優勝で、2回勝つと、セミファイナルにいける。1回戦ではかなり強い相手を負かしたが、2回目で負けてしまった。自分が優勢にあって勝てるはずの試合だったのに、続けてミスってしまったのが響いた。実力としてはおそらくこのレベルだと互角。あとは、試合のペース配分とか、相手によって戦い方を変えるとか実戦の知識か。うまくいくと優勝できるだろう。
今日はじめて、スポーツにおけるコーチ、監督の重要性を体感したのだった。チャックが途中からきたのだが、チャックが見ていて、腕がちょと落ちてる、とか、もっと攻めろとか言ってくれるだけで、100人力なのだ。direct nominationでの1勝は、チャックのコーチングのお陰だと思う。一回戦だけだけど、とてもいい試合ができたので、チャックの恩に報いたかなと思う。そういうコンセプトはアメリカ人にはなさそうだけど・・・。でも、よくやったと皆に褒めてもらって、素直に嬉しかった。
自分が終わったあとは、Danの応援に回った。ファイナルに勝ち進んでいる中に、めちゃくちゃものすごく下品な男がいた。とにかく見かけがでぶでぶで、手が卑怯、一回一回わめきちらかし大騒ぎするのである。プリンストンのフェンサーがいかに紳士であるのかを思い知った。こんなワイルドな奴らがいる有象無象のなかで試合を積んでいかなきゃならないのだ。トーナメントはまじ、ワイルドだ。Danは結局、そのデブ野朗に負け、総合2位だった。悪が勝つ。
トーナメントが楽しめるかどうかが、フェンシングが強くなるかどうかのカギだという。練習が上手で、あらゆるテクニックを知っているのに試合では全くダメな人がいるという。まさに、闘争心と精神力が問われるのだ。そんなこと今まで言わなかったじゃん、チャック。話が違うよォ。戦ってこそなんぼのスポーツなのだ。
私はどうだろう?勝った時の達成感はさすがに快感だ。でも、とにかく精神的にしんどい。こんなにしんどいとは思わなかった。体力が、ではなく、精神の集中力が並大抵じゃないのである。うーっと精神力を出し切る感じ。これが好きなのかどうか、まだわからない。嫌いかと言われてもわからない。いつも簡単に参加できるようなものではなさそうだ。思わぬ壁にぶちあたってしまった。]]>
Independence Day
http://uprinceton.exblog.jp/2793232/
2006-07-12T22:12:00+09:00
2006-07-16T05:42:55+09:00
2006-07-13T22:21:44+09:00
tigress-yuko
未分類
July 4, 2006
今日は独立記念日。独立記念日といえば、花火。1777年以来の伝統だという。そして花火といえば、Macy's の花火だ。ダシャ一家が、マンハッタンに見に行くというので便乗することにした。夏休み、どこにも連れて行ってやらない娘へのせめてものプレゼントだ。
ダシャ一家が道も時間もチェックしてあるというのでお気楽に構えて従う。NJ transitでNYの最寄駅まで車で行き、そこに車を駐車して電車でNY入りするというプラン。行って見て全く駐車場がないことが判明し路頭に迷う。ロシアからイスラエルに移住した肝っ玉は、ルールなんて無視。Visitor の車はレッカー移動するという札にも全くびびらず、ここに停めようという。NJのパトカーの数の多さをしっている私は抵抗。ちょっと気まずい雰囲気になりつつ遠くのレストランに車を停めることに。1時間ぐらいもたもたしてしまった。
NYの歩き方もスジガネ入りで、とにかくめちゃくちゃに歩き回る。タフな人たちである。オシャレがだいすきなおばあちゃんがそこここで立ち止まり店をみるのだが、私が絶対眼もとめないような超安物のお店。でも、お陰で私の知らないNYが観られておもしろかった。娘とダシャも大喜びでアクセサリーを物色している。大きくなったら絶対二人でこようねなんていっている。
union square付近をどんどん歩いていたら、なんと、知人に出会ってしまった。Branding in Chinaの英訳をコレクションしてくれたエディターの人まで一緒に。この3ヶ月ぐらい会わなくちゃ、会わなくちゃと思いながら、連絡しそびれてきた人。めちゃくちゃ、あたり構わず歩いていたら会うなんて。ほんと世界は不思議だ。
夕方急いで入った中華街の中華が相当に酷かったし、花火大国日本から来た私たちにとって、花火そのものは大した感動ではなかったが、久しぶりに夏休みモードのNYを味わったのは良かった。
大変だったのは、帰り。ダシャがわがままを言ったことに、両親が非常に立腹して、皆の前で糾弾し続けたのだ。インテリのジューイッシュの躾の容赦なさを目の前で見た体験だった。ダシャが、ハナが意地悪なことをいったのでとても傷ついたから、と言い訳したのだが、どの言葉が意地悪だったかと言われると、言葉じゃなくて目つきと表情だったといい逃れたり、相当悪あがきをした。糾弾する方もする方だが、言い逃れをする方もする方である。日本人だと、とにかく謝っとくかだけど、それじゃあ許されないのだ。罪がどこにあったのかを確定するまで許してもらえない感じ。だから言い逃れをしてしまうのだ。こういう人たちと法廷で争うのは大変である。
ダシャの両親が厳しいのは知っていたのだが、いつもは叱る場面はロシア語だった。今日はたまたま娘とのかかわりだったので、英語でことがすすんだので内容がわかったのだった。ダシャがロシア語で話そうとすると、だめだ、英語で皆にわかるように話せと、これも頑として許さなかった。
ダシャは、帰りの道すがら泣きじゃくっていた。お母さんのアナと話したら、今、ダシャが手を付けられなくて、精神的に参っているという。言い訳はする、すぐ感情的になる、ととても取り扱いにくいのだそうだ。ハナもそうだよ、と同情した。年頃なのか、外国で暮らしているプレッシャーが段々出てくるのか・・・。
車の停めてある駅まできた頃には歩き疲れも加わって、一同声もなかった。マイクと、お父さん、私で歩きで車を取りに行くことになった。
***
そこからがミステリーゾーンだった。駐車場の手前に貨物列車の引込み線が走っていて、踏切があるのだが、全く切れ目のない貨物列車がゆるーりゆるーりと動き、ついに止まってしまったのだ。全く動く気配がない。延々と待つこと30分ぐらい。ようやく動いたと思ったら、反対方向に動き出し、列車の末尾まで到達しないまままた止まった。辺りは、打ち捨てられたインダストリアルゾーンというか、荒廃した地域。こんなところで迷子になったらどこにも帰れない感じの場所だ。
短気な私は列車をよじ登って越えていこうと思ったが、またいだところで、またこの踏み切りを車で通るのだから同じかと思って思いとどまった。それにマイクが言う、ほら、そこにパトカーまで止まってるしねと。
そのパトカーが、不思議だ。Postal Policeという初めて見る名称を付けている。踏み切りの順番待ちのラインにいるのだが、誰も中に乗っていないのだ。さっきからいた私たちは、しかし、だれも車から降りるのを見ていない。へんだなあ、気がつかなかったのかなと思いつつ、延々、延々と待ち続けた。1時間ぐらいたったのか。ようやく踏切があき、歩き始めた私たちの横をパトカーがふわーりと過ぎていく。ええっ、車に誰も車が乗り込んだ気配がない。
「マイク、ねえ、っちょっと・・・。車の中に、ドライバー、いる?私には見えないんだけど・・」
「誰もいないよ。」
「車だけが動いてるよね・・・・。」
私たちは、顔を見合わせた。背筋がぞくゥゥゥ・・・・・。
英語の今ひとつわからないお父さんは黙々と歩いていた。
ようやく車で女達を迎えにいくと、アンナが激昂して、号泣しはじめた。電話もかけてこないし、通じないし、事故にあったと思って、心配していたという。マイクがメッセージを送っているはずだ。
私の電話もならなかった、といってみても、一言電話するべきだといって、めちゃくちゃ怒って口を聞いてくれなかった。ええっ、と思ったら、電話の電波が届いていなかった。翌日聞いたら、マイクのメッセージも届いていなかったのだそうだ。
ダシャが叱られ、またアナが感情的になり、おじいちゃんおばあちゃんが黙りこくる中、誰の気持ちも逆なでしないようにと神妙にしていた娘は妙に、落ち着いて、そして元気だった。
帰り道、ああ、そうだったと、娘に聞いてみた。
「ねえ、今日って、何の日だったか知ってる?」
「そんなこと聞かないでよ。Independence dayでしょ。」
「この日は何を記念してるか知ってる?」
「The day when Americans signed the declaration of independence.」
「どこでサインされたか覚えてる?」
「Yes, in Philadelphia. We visited the congress building in December with Daddy, Mom.」
マイッタ。
ナニ、ユートーセー、シテンダヨー!!]]>
https://www.excite.co.jp/
https://www.exblog.jp/
https://ssl2.excite.co.jp/