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![]() 娘が、着替えていく、と言い張る。近所のピザ屋にでかけるのにオシャレしてるのは、カッコわるいんだぞ、急いでいこうよ、かあさん、その後仕事しなきゃいけないんだよ、といっても、お母さんもシャワー浴びて着替えてきたでしょ、すぐ着替えるからとこだわる。ま、いいか。髪を結わえなおし、スカートにポンチョでやってきた。白いソックスに黒いよそ行きの靴を履いてるのが、いかにも田舎モノの娘という感じだ。ま、いいか。 Conte'sというピザ屋は、Nassau Streetと直交するWitherspoon Streetにあるのだが、中心のショッピングストリートからはちょっと外れたところにある。1年もこちらに住みながら、そちらの方まで足を延ばしたことがなかった。ゆっくり車を走らせると、何と、そこは、ラテンクオーターである。うわ、結構奥まであるのね。 プリンストンにも戦後、黒人街ができたのだが、そこから人が出て行くと同時に、イスパニック系の移民が入り込み、小規模ではあるが集積を作っているのだ。私の住んでいる学校のレジデンスもちょうど50年前にダウンタウンのはずれという位置に作られているので、実は、道を一つ向こうにいくと、イスパニッシュ人街である。言語はスペイン語だ。建物はおんぼろなタウンハウスというところは一緒なのに。インターナショナルなレジデンスの雰囲気と、全く違う別世界だ。 駐車場のあるConte'sの裏口に建っているお兄さんに聞くと、50分待ちだという。週末だからな。アメリカでは混んでいるからと言って美味しいとは限らない、一瞬迷ったが、自分で作ってもそのくらいはかかってしまうだろう、待つことにした。 入り口でヤラレタ。香ばしいピザの何ともいえない匂いだ。これはいい感じである。これなら、待つぞー。中は広くて、ミッドウエストの地元のレストランという感じ。小さいオシャレなレストランか、車で行く、チェーン店かしかないプリンストンでこれまで見たことのない業態だ。ああ、こんなところに「地元」があったのか。 ![]() 娘の折り紙に付き合ったり、Black Berryのゲームをしたりと、だらりんとした時間が過ぎる。融けていきそうなこの地元ぶりに、なぜか、ドイツ時代を思い出した。外国に住むとき、始めはガイドブックに載っている有名なレストランに行く。中心街にある店だ。次第に、知り合いが増え、街の様子がわかってくると、地元の店に馴染みが出来始める。ミュンヘンに住んでいたとき、ミシュランの3つ星の店にも行ったけど、今懐かしいのは、気が張らなくて、得意メニューの決まっているようなビアー・ガーデンだ。レバークヌーデルンに、外がカリカリで中がふんわりしたプレッツエル、ザウワークラウト、Weiss Beirを飲む。 地元の店は、大衆的と言えばそうなのだが、おしゃれな人やお金持ち、労働者っぽい人、様々な人が混じっていて、遠くから引いてみると普通、という感じがする。ちょうど、印象派の絵が、近くで見てみると、極彩色の色が大胆に使ってあるけど、離れてみると落ち着いた色調になる、そんな普通さなのだ。悪くいうとくすんでいるのだが、このくすみは、田舎出身の私には、馴染み深いくすみだ。アメリカで、チェーンのピザやにいくと、あるクラスの人だけが特殊に固まっているので、大衆的ではあっても、地元という感じはしない。 プリンストンの街中のレストランは、かなり高いので、かなりスノッブな顔ぶれになる。もちろんニューヨークほどじゃないけれど。旅行者として訪れるときは、洗練の覇を競うようなそんな最先端のレストランをチェックするのが醍醐味で、地元のレストランに行ってもチグハグな気持ちになるけれど、住民となると、妙に溶け込めるのが不思議だ。 ピザが飛び切り美味しかった!大きめを頼んだのに、娘が信じられないほど沢山食べ、つられてしまった。ピザだって、そりゃ、イタリアのがずっと美味しいのだが、こんなに近くで食べられるのがありがたいのだ。3家族で子供が10人ぐらいいるテーブルや、地元の友人の同窓会みたいなテーブル、いろいろだけれど、肩の力が抜けていて、何より、香ばしいピザの匂いで、皆、気分を共有している。どうということのないけど、幸せな週末だ。 こういう地元の店がどんどんなくなっているのだろうなと思う。日本でも中心市街地がなくなっているし。ふと、ヒトラーがビアガーデンでの演説からナチスを起こしたことを思い出したりもする。Good Mixというのは、社会の望ましい姿なのだが、そのイメージが固まりすぎて、そこにセンチメンタルなバリューが入りすぎるのも問題なのである。特に、社会に負担が増したときには。 2人で心からリラックスして、もっと早く来てれば良かったね、という。でも、全てには時があるのだ。今ようやく地元に心を開けるようになったのだろう。これからもっと来ようね、と話す。あと5ヶ月しかないのである。何がしたい?と娘に聞いたら、もっともっと遊んで、一度で良いからTree Houseで一晩寝てみたいという。うん、考えてみよう。それと、英語がもっと上手くなって、皆が読んでるハリーポッターの原作を読めるようになりたいのだそうだ。うん、きっとできるよ。明日本を買ってあげようか?
by tigress-yuko
| 2006-02-26 22:11
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