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Sunday, September 18, 2005
今日は、仲秋節。 ここのところ春のお花見と並んで、ワタシ歳時記の中の重要な位置を占める。日本だとお団子を作るところだけれど、今年は月餅。8月に中国に行った際、いろいろなホテルやレストランがこぞって自作の月餅フェアーをやってたのに、予約制だったので食べられなかったのだ。食べ物の恨み、って結構引きずる。商業プロモーションのせいもあり、七夕や仲秋のような、伝統的な行事が復活し、きらびやかになっているのだそう。うーん、私の風情も、商業主義の産物なのか。 日本人学校に娘を迎えに行き、その後、秋の七草を摘みに行った。ススキが生えていそうな河原を見つけてあったので、キッチンバサミと大きな袋をもって、友人のDashaも連れて。ススキは見つからなかったが、女郎花風の野花、とか、色合いだけは秋の風情の草花を見つけた。家に帰って活けてみた。うーん、素敵。それに、タダ! ところが、月餅。 缶の蓋を開け、切り分けて一口、ううう、腐ってる。よく見たら、うっすらとカビ!!他の食材だったら泣き寝入りするところだが、今日が今日、モノがモノである。ワタシ気合はいっとるでーと、急いでAsian Supermarketに再度クルマを飛ばした。応対してくれた中国人の女性が、今日が仲秋でもう商品がないといって申し訳ながりながら返金してくれた。しょうがないな、何か日本の和菓子を買おうかなと思っていると、ちょっと待ってといって、バックヤードに走っていった。家族用の月餅をおすそ分けしてくれたのである。ホームメードで美味しいよといって。下町風情の取り計らいに、アジア的な連帯感を感じて嬉しくなった。お月見楽しんでね。といって別れてきた。恐る恐る食べてみたら、ヘンハオ!ほくっと自然な味わいである。月餅も、ホームメードが美味しいんだ。今年の広州での甘味道を思い出した。あそこでもお店の人たちが食べてるの食べさせてもらったな。 月は素晴らしかった。月餅のせいか、大陸風の月に見えてくる。 コバルトブルーがかった漆黒に、キーンと光る月である。夜11時ごろ、娘を連れて、川に出かけた。本当は湖面に映る月だけど。でも、あまりに月が遠くにあり、湖面の面積が狭くって、湖面に映る月は見られなかった。でも、本当に澄み切った空気にきりりとした月だった。和歌の月とは違う硬質な感じ。 念奴嬌 過洞庭 張孝祥 洞庭青草, 近中秋、更無一點風色。 玉鑑瓊田三萬頃, 著我扁舟一葉。 素月分輝, 明河共影, 表裏倶澄。 悠然心會, 妙處難與君説。 念奴嬌 洞庭に過ぎる 洞庭 青草, 中秋に 近けれど、 更に 一點の 風色も 無し。 玉鑑 瓊田 三萬頃, 我をして 扁舟 一葉を 著(うか)べしむ。 素月 分れて 輝き, 明河 共に 影ず, 表裏 倶(とも)に 澄す。 悠然として 心に 會す, 妙處 君 與(と) 説き 難し。 詩は偉大だと思う。空間の広がりや住んだ空気の匂い、静まり返った水面に反射するような静けさや、そんな写真にはとうていうつせない光景を心の中につなぎとめる力がある。言葉に繋ぎ止められた今日の月、多分一生忘れないだろう。 娘もそうかな。家に帰った途端、一瞬で眠りに落ちた娘の寝顔をみながらそう思う。 忘れてもいいよ、もっと素敵なこと、これからもっとあるから。
by tigress-yuko
| 2005-09-18 00:00
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