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今だに荷造りが終わらない。子供を連れての仕事は、覚悟を決めているから我慢ができるが、雑事が、子供を抱えているためにさくさくと終わらないのは、本当に思わぬところで足をすくわれる気がする。
自分のことは自分でするように、家族の立場の一員として行動するように育ててきたつもりなのに、娘の性格はちっとも協調性があるふうには育っていない。もともと、自分勝手で、自己主張が強いタイプだったったのが、アメリカで、しかも、自己主張の強いイスラエル系学者の子供達と交わることによって、とどまるところを知らないぐらい増長されてしまったように思う。 私が頑張りすぎるのが悪いのだろうか。期待しすぎか?私が汗だくで一生懸命荷造りをしている横で、テレビをだらりと見ていて平気。食べたものは散らかしっぱなし、着たものもその場に脱ぎっぱなし、これで最後の洗濯よ、と昨日洗濯を山のように済ませたばかりなのに、廊下に汚れたものをぶちまけてある。どうして間際になって、上げ膳据え膳で娘の世話をしなくてはいけないのだろうか?そんなに育ててきた覚えはないのにと、情けなくて涙がでそうになる。 朝だって起きてこない。おこしたら、眠いときに邪魔されるのはとても不快だ、と来た。テレビは止めなさいといったら、アメリカにいられる最後だから見ておきたいとおもっているのに、と口答えをする。片付けなさいといえば、今まさにやろうとしていることを、先に言われてしまうのはとても不愉快だという。 もともとの性格なのか、親に似たのか。アメリカが悪かったのか・・・。 子供との葛藤というのは、多くの家庭が抱えているものだろうが、自分とは別世界だと思ってきた。今の今になって、こんな思いをするなんて、と思う。多分、いろいろ余裕がないから、いやな面が膿のように出てくるのだろう。きっと、問題児というのも、そうやって作られるに違いない。 愚痴っぽいが、記録に残しておこうと思った。将来娘がぐれたら、ここに萌芽があったかと思うことにしよう。笑い話ですむことを祈るばかり。
隣人、ダフネーとは体調の話なんかをよくするのだが、5月ぐらいからどうもおかしいと相談したら、きっと栄養不足よという。髪の抜けがスゴイといったら、髪が抜けているということは身体の中身もぼろぼろになってるってことだわ、という。日本で食べてたものが補えていないのじゃないかという。私はこの1年半、ずっと、ほぼ毎日自宅でご飯を作ってきた。メニューは結構バラエティが限られているというものの、日本で食べるのとそんなに大きく状況が違うとは思えない。
ダフネー曰く、アメリカの野菜は野菜の形をしてるけど、ほとんど栄養がないのよ。いいオーガニックのじゃなかったら、形だけ食べてると思ったほうがいいという。ヨーロッパなどとちがって、そもそもオーガニックで野菜を育てた歴史がなく、いきなり化学肥料、農薬を使いまくって農作物を育ててきた国だ。土地が痩せきっているため、他の国で食べてる野菜に含まれているだろう、ミネラル等の栄養分は、残念だけどほとんどないと思ったほうがいい。だから、アメリカではサプリメントは絶対大切よ、という。 そういえば、アジやいわしなどの近海モノの魚、サバなどの青い魚などは全く食べていなくて、ほとんど、ツナとサーモン、それにホタテ、エビ等の海鮮類ばかりを食べてるだけだ。 ランチをかねて相談にいったら、薦めてくれたのは以下のサプリ。 ①B-complex Solaray社のもの。 In a base of whole rice and Aloe Vera gel concentrate. ②Ultimate one Multi Vitamin Wild Oatsのもの Mid of the day ③Fish Oil Omega-3、No Mercury Lead PCBSマークのついているもの。 Spectrum社のもの。一日2粒。2回。 Omega 3,6,9のバランスがとれているもの。 総じて、最も大事なことは化学的な処理で合成されていないものを選ぶこと。自然素材のものは身体が食品と認識するので吸収されやすいのだそうだ。 ブランドでは、Spectrum社とSola社のものに定評がある。 以前ブログでも書いたと思うが、WHole Foodsでは、Counrty Life とBiochem社のが2大ブランドだと薦められた。実際、棚割を二社が多く占めているのは確かだ。が、両者とも化学処理で作っているし、決して評判のいい会社ではないという。 今まで、サプリなんてと軽く考えていたのだが、ここまで深刻な問題だったのか。ダフネーはもともとニューロサイエンティストなのだ。その彼女がかなり勉強したという。昔、ビタミンバイブルというのを読んだことがあるけれど、時代はもっと進んでしまっている。本格的に勉強する必要があるのかもしれない。沢山雑誌とかもあるし。日本にもサプリは蔓延しているが、Whole FoodsやWild Oatsみたいな店すらなく、食品と薬品のハザマの領域ということで、野放し状態な気がする。ブランド選択をどうやってやるのだろう。 その他、検討を要すべきサプリ。 ・コラーゲン ・ヒラルギン酸 ・コンドロイチン酸 ・鉄分 # by tigress-yuko | 2006-07-23 08:42
しばらく前、娘の受けた州の統一試験の結果が届いた。国語(英語)と算数の試験だ。
Language Arts Literacy 221 Mathematics 268 州の定めている基準 250-300 Advanced Proficient 200-249 Proficient 100-199 Partially Proficient 娘は、国語は、Proficientで、算数はAdvanced Proficientのカテゴリーに入っている。一応、Limited Engilish Proficientの認定をもらった。 Language Arts Literacy 娘の成績 可能な総得点 平均値 Total 21.5 40.0 16.5 Writing 7.0 20.0 7.4 Writing about Pictures 5.0 10.0 N/A Writing about Poems 2.0 10.0 N/A Reading 14.5 20.0 9.1 Working with Text 9.0 11.0 5.6 Analyzing Text 5.5 9.0 3.4 Mathematics Total 31.0 33.0 14.0 Number and Numerical Operations 9.0 9.0 3.2 Geometry and Measurement 7.0 8.0 5.4 Patterns and Algebra 7.0 8.0 2.3 Data Analysis, Probability, and 8.0 8.0 3.1 Descrete Mathematics Problem Solving 15.0 16.0 3.9 試験というのはよくできたものだ。外国人の娘の状況が良く測定されているというべきだろう。結局、writing が弱いのだ。ここをネイティブの子の何倍もやらないと追いつけないということだろう。逆に算数は楽々なのだ。それにしても、1年半ばかりこの国に住んでそれほど英語ができるわけじゃない娘のリタラシーがすでに平均値を越えているところが、この国の成りたちをよく現していると思う。極めて多くの子供達が、外国人以下のリタラシーしかもっていないということだ。それを前提に成り立っている様々の制度。平均よりいいということが、社会的には何にも意味を持ち得ないということでもある。教育の目標値を定めるのが難しい国であるからこそ、家庭が重要だと考えられるのだろう。 # by tigress-yuko | 2006-07-23 08:04
6月1日
今日は、娘のフィールドトリップ。コロニアルヒストリーの締めくくりで、プリンストンの植民地時代の歴史コースを辿る。 ・Tour/Activities at Morven ・Lunch at the monument of Washington(Park at Borough Police) ・Walk to Nassau Hall ・Walk to Bainbridge House ・Walk to Dr. Beatty's House ・Walk to Princeton Cemetery for Historical Tour もし親が体験したければ、ご一緒にどうぞ、という企画である。私は一緒に行かなかったけど、娘たちは大喜びででかけていった。Movenは上流の御宅で、そこが一番気に入ったらしく、いろいろ話を聞かせてくれた。 # by tigress-yuko | 2006-07-22 08:50
荷造りが中々進まない。本や資料を選別しているだけで時間と根気が費やされていく。娘は絶望的に手伝おうという気がなく、母が汗だらだらで片付けながら、ご飯の用意とかしているのに、テレビをだらーんと見ていたりする。そこに例によって、子供達が遊びにきて、うちで皆でテレビを見ようとする。冗談じゃない、手伝え、といっても、何をしたらいいかわかんないとかのらりくらりする。そのくらい自分で考えろよ、といらいらが募る。
コワイ母を怒らせておいて、まだ、ちゃっかり遊ぼうというタフな魂胆の持ち主だ。ちょっと眼を離しているうちに、炊いてあったご飯に、どこで見つけてきたのか、ケーキのデコレーション用の着色料を混ぜて、杵代わりの太棒で餅つきをしていた。餅になると思ったらしい。ご飯が、うげーっとなるような緑の色に染まっている。随分甘いらしい。当然、辺りは、ご飯粒がはじけとび、とんでもないことになっている。それを、鍋に直にいれて加熱している。粘りがでると思ったらしい。 何してんのォーー!!!! 母は怒った。まず、食べ物で遊ぶというのが許せない。それに状況を全く理解しない勝手ぶり、カオスが増えるばかりだ。しかも、今晩食べるはずのご飯を全部使っちゃっているじゃないか。炊きなおさないといけない。 ご飯で遊ぶとは何事だァ、責任を持って全部食べなさい。食べない人は夕食なし。 雷をガツーンと落とした。不味そうな顔で、ぼそぼそとご飯を食べる娘達。ダシャははなから食べる気などない。もう、おなかがいっぱいとか、吐きそうとか、いってのらりくらりしている。娘は自分の分を食べたところで気持ち悪くなったらしい。ダシャの分が残ったと、訴えてくる。問答無用。あなたがやりだしたんだから、責任を持て、とはねつける。娘は、うえーっ、吐きそう、ダシャー、ちょっと手伝ってよ、もう、気持ち悪いよー、死んじゃうよーとうるさい。でも私は許してやるつもりはなかった。この前ももち米で同じ実験をしたのだ。何度言っても全く学習してないのだ。 ついに、娘がソファーに倒れこんで、気持ち悪そうにしている。しょうがない。また、食べられるときにちゃんと食べなさいよ、と譲歩する。カレーを作ってご飯にしたら、食いつくように食べ始めた。なんだ、食べられるジャン、と水を出してやってると、夕方からのカミナリが激化して、空の色が反転するような閃光が光ったとおもったら、すさまじい音がすぐに続いた。そして、電気が切れてしまった。数分後に電気が復旧する日本と違い、こちらでは数時間かかる。わずかばかり残る外の光を頼りに食事をしてしまおうと娘達を急がせる。あっという間に真っ暗になってしまった。何の作業もできない。困ったもんだ。 **** ダシャが、怖いStory Tellingをやろうという。しょーがない、何もできないんだし。一緒に混じってやることにした。ロシアの民話の中に良くあるな、話中の語りとして、ストーリーテリングがなされるの。照明など限られていたころ、人間達が暗闇をすごした、長い長い時間の使い方だ。スイスにいたことろも、何となく手持ち無沙汰というとき、 Erzaehle mir deine Geschichte. (Tell me your story.) と言われて閉口したことを覚えている。おしゃべりじゃなく、語りだ。一人で最初から最後まで語りつくさないといけない。物語というのは、口承の長い長い伝統があるのだ。何となく、厳しい自然、貧しい歴史のある国ほど、豊かな語りの文化があるような気がする。 ダシャがはじめた。ロシアの伝統なのか、ものすごく、上手い。一人でどんどん話していく。ちょっとジョークが混じった語り。娘は、番町皿屋敷に挑戦した。ダシャと比べるとつっかえつっかえつつだが、まあまあの出来。私はこの前の、首なしパトカーの話をしてやった。 ダシャは、執拗に怖い話をしようといっているくせに、人一倍怖がって、私にしがみついてくる。そして日本の怪談ほど怖いものはない、と両親の口癖を真似する。私は、ホラー映画もみないし、邦画もほとんど見ないのでわからないのだが、日本のホラー映画はかなりの人気で、ダシャの両親も、ダフネーも相当見たらしく、なんであんな怖いことを考え付くのか、すごいこわいという。それでいつかyukoと一緒に見て、日本人は平気なのか、やっぱり怖いのか、どんな風に怖いと思うのか、是非意見を聞きたいといっていた。そんなァ、アタシ、ホラー嫌いなのよ。 2度目の番、娘は、自分の創作に挑戦した。ダシャという名前の女の子の身の上に起こるはなしだ。 When Dasha was sleeping in her bedroom, she heard the screaming voice outside of the door. Dasha, Dasha, I feel so sick, help me....please..... Oh, Hana, please, you did not die because of the Green Rice? Stop it, please..... Yes, you are all correct. Dasha wanted me to cook the rice, but she did not help eating it. Hana has to eat it all alone, counting..... One more spoonful, then one more, one more.... Stop it. But Dasha never seemed to help Hana...... Stop it. Then the door opened. Oh, there stood Hana, her body totally turned Green, all over her body. Oh, stop it.... Golgi burked and burked like he never did before...., and he jumped onto the green monster.... Oh, hana!! Then he started to lick the green monster... Oh, Golgi you would die.... Then out of the green skin appeared Hana. Hey, Dasha, I painted my body with the rest of the green color stuff. Isn't it cool? 私は、耳なし法一に挑戦した。平家の落ち武者など、怖く聴こえるための背景というのが共有されていないところで、怖く語るにはどうしたらいい?なんて考えながら。日本の怪談が怖いのは、やっぱり長い語りの歴史があるからに違いない。それにキリスト教のしばりがなかったから、怨霊、亡霊を遠慮なく登場させられたしね。声色を使っている最中、ドアをノックする音がした。 一同、ぎくっつ。アナだった。こんなに暗くちゃどうしようもないから、映画にいかない?という。子供達は、大歓声を上げる。真っ暗になったスタンワース一角では例によって信号すら停電し、パトカーが白円筒を焚いて交通規制を行っているというのに、街中は平常どおり。きっと、スタンワースの人たちは勉強しすぎてるから、休みなさいっていう神の思し召しね、とアナ。仕事がはかどらない天罰かと思った私は、そうとう悲観的な人間だ。 まさか引越の真最中に、Pirates of Caribbeanを見ることになるとは・・・。ジョニデ、かっこよかったけど・・・。アナにジョニデ好きと聞かれて、うん、と答えた。アナも好きらしい。ジョニデを嫌いという女がいない。パイレーツ、大ヒットするわけだな。三回目が前提で作られた二回目で、シメがなかった。*** 本文とは全く関係ないのだけれど、ジョニデの何がいいって、帽子。チョコレート工場はシルクハットだったけど、海賊ハットはもっとカッコイイ。何がいいって、顔が角ばってて、結構大きいのに、似合うところ。こういう帽子、欲しい。 ![]() Paulとランチ。Korean & Japanese Restaurantで、ブルコギを食べた。甘かった。 Branding in Chinaの英訳にPaulが眼を通してくれ、とても面白かったといってくれた。きっと出版できるだろうという反応。英訳も揃ったし、ありがたいことだが、いくつもプロジェクトが走っているので、それにかかりっきりでうんとコミットできないところが泣き所で、それが私の人生ってかんじだ。 Paulは私のElephant Designのケースをとても気に入ってくれている。これもちゃんと本にしたら相当おもしろいテーマだったけど、今、現実が進みすぎてしまっている。全ては場の本がもたもたしているために、いろんなことの脚を引っ張っているのだ。イヤになってしまう。 今日、盛り上がったのは、Second Lifeの話題で、新しいもの好きのPaulが興奮して語ってくれた。バーチャルライフのサイトで、全てのモチーフがネット村で売買されていて、住人はそこで、Second Lifeを送っているのだ。はじめよく意味がわからなかったが、ようは、アバターを作るみたいにして、自分の生活、人生をそこで組み立てるのだ。 私のブログは、シンプルな日記スタイルなので、コミュニケーション機能をほとんど使っていないけれど、より匿名でバーチャルコミュニティに入り込んだブログだったら、アバターとか凝って作ってみたいなと思ったりする。ヤフーでネックレスが200円とか、背景が500円というのをみると、自己表現というのは不思議な世界だと思う。現実の世界でもファッションにお金を使う人ほど、アバターにもお金をかけるのだろうか? Second Lifeでは、アクセが変えるだけじゃなくて、鼻の高さとか、唇の形とか、身体の細部に入り込んで、アバターが作れる。ちょっと、やってみようかとおもったけど、ゼロから自分を創ってみろ、といわれたときに、どんな身体が欲しいのか、途方にくれてしまった。そのうちやってみるかも。その調子で家も建てられちゃうので、本当に空想生活だ。Paul の評価は、既存のゲーム形式をとらずに、世界を構築する手法をつくったことだそうだ。プレイヤーの数が、非限定的でめちゃくちゃ多数だと、全く異なった世界になる。 なーんて話に、音楽の話をしてしまったものだから、ぼそぼそぺちゃくちゃと話がはずみ、何かいつもアカデミックな話にならない私たちである。とはいいつつ、現場主義の源泉をどう解釈するかというトピックで、実は現場主義はアメリカ発じゃないかという私の話を、もしそれがほんとだったら、メチャクチャ面白いといってくれた。アメリカでの理解は、現場主義モデルを主張したきちがいみたいな人がいて、誰も彼の言うことを聞かなかったので日本に行き、それが広まったというものだということだった。 奥さんキャロルのお母さんが危篤状態で、キャロルは病院を言ったりきたりという毎日が続いているらしい。意識がうっすらあるけど、ほとんど混沌状態らしいところが悩ましいところらしい。おなかがまたいっそうぷくんとした感のあるPaulをみて、長生きしてほしいなと思ったのだった。 *** 書いているうちに、フェンシング仲間のサムからメールがきた。フェンシング界のディスカッションボードの情報。その世界でのハンドルネームをくれた。その世界に繋がっててね、ということ。日本に帰ってから、プリンストンでの世界をどうsecond lifeにできるか。ちょっと考えているところ。 # by tigress-yuko | 2006-07-19 23:17
![]() 今日は、火曜日のエペクラスの最後のレッスンだった。金曜日からチャックたちはローマに旅立つ。今日は人数が少なかったが、サムと息子ビヨルン、チャック、私、そして娘にダシャ。 サムを相手に、試合が随分できるようになった。1年の成果としては相当大きいだろう。結局、なんだかんだと、一番密度高く顔を合わせた人たちだ。名残惜しい。フェンシングを是非、続けて、再会できたらいいなと思う。英語のblogに挑戦しようかな。 写真をみると、身体つきが、フェンサーになってきたかも・・・・. ![]() 7月17日 今日は、東京から、NTT出版の島崎さんが訪ねてきてくださった。場の本の編集を担当してくださっている。この本はもう、15年ごしぐらいの勢いの本で、出版を決めてからでももう5年ぐらい経ってしまったのじゃないだろうか。今回の滞在で書き上げるはずだったのに、まだ、終わっていない。最後通牒ということで、励ましとプレッシャーをくださりにわざわざ来てくださったのである。 島崎さんは、1992年にベルリンに滞在していたときにも、ベルリンに来てくださったことがあり、その時に、場の本は島崎さんにお願いする、と決めたのだった。経済関係の重鎮の先生方の著作を長年にわたって手がけてこられたベテランの編集者で、私のような若輩ものにはもったいないことだ。 ベルリンにいらした島崎さんを、当時のネオナチカフェやら、Cafe Einsteinやら、ベルリンのキャナルツアーにお連れしたのを思い出した。あのときは、世界は自分のものだ、ぐらいに思ってる高慢ちきな若い女だったのに、今は、姑息延々の中年女になってしまった。でも相変わらず風呂敷だけが大きい私に、最大限の寛容さでもってつきあってくださっている。 プリンストンでは、Cafe Einsteinならぬ、Einsteinの家、大学、お屋敷街にラテンクオーターなどにお連れした。でも、何よりも喜んでいらっしゃったぽいのは、プリンストンジャンクション駅とプリンストンを結ぶ汽車だったような気がする。こんな形のペンタグラフなんてみたことがないと相好を崩していらしゃった。鉄くんなのだ、島崎さんは。 ![]() 仕事が進んでいないことから、お目にかかるのに相当プレッシャーを感じていたのだが、いつものように、紳士的で柔らかい物腰で、他の先生方の武勇伝などを聞かせていただき、励ましてもらった。前向きでがんばろうっと。 # by tigress-yuko | 2006-07-17 19:03
![]() 今日は、チャック一家をディナーにご招待した。奥さんのタニヤ、お嬢さんのキャシー、の3人。 はじめは日本食レストランに出かけるつもりだったが、あいにく、皆の都合のいい今日は、休業日だ。難民キャンプ状態の我が家、お客さんをすれば一気に片付くのではという期待もあり、思い切って、我が家にご招待した。 うちは、なんだかんだとぐうたらで、誰も自分からテキパキ片付けようとしない。唯一、お客さんのあるときだけはリキを入れて片付ける。娘もそれが習い性になってしまい、どんなにどやしても一瞬手伝うだけですぐ、別のことに気を取られ、散らかしにかかる。チャックがくるとあって、若干本気度が高まった。昨日から、娘をどやしながら、本周りの荷物を分別し、パッキングし、捨てる作業を延々と。 ようやく後片付けの目処がついたのが3時ぐらい。あわてて買い物にでかける。本当は朝材料調達に行くべきなのだが大いにずれ込んだ。冷やし中華を作ろうと思っていたのに、チャイニーズマーケットに行ったら今日はない。冷麺というのでつくるかと思ったら、袋の口が全部開いてしまっている。ひどい品質管理だ。散らし寿司に変更した。買って帰ったホタテも腐っていて、散々だった。 チャックたちに、冒険の人生ばなしを聞く。二人はミシガン大学の学生時代にフェンシングクラブで知り合い、周りを圧する実力の持ち主という絆で結ばれた仲なのだという。キャシーが生まれたころに、チャックは仕事をやめ、所持金全部を費やして、セイリングボートを買い、航海の旅にでかけた。その後も、キャビン付きのボートに買い換えて、海で暮らしていたのだそうだ。海の上で育ったキャシーは、生まれたときから泳ぎが得意で、今は、ハイスクールの水泳選手。しっかりとした肩をしている。チャックが家族の歴史を語ると、そうやって、私の大学の学費を使い込んじゃったのよね。なんて冗談を飛ばす。 チャックは、タニアやキャシーにもフェンシングをさせたくてしょうがないようで、いろいろ画策しているようだが、二人は、そんなに熱いわけじゃない。嫌いだというというわけでもなさそう。タニアは今はむしろゴルフをしたい気分なのだといっていた。ハンティング話も聞く。いろいろ、いろいろ、やってきた人で、とても話が面白い。でも、家族だったら、大変だ。ハンティングには一緒に行くのと聞いたら、首を振る。チャックがハンティングに出かけている間は私たちの休暇なのよ。 いただいたお花を活けたら、がさがさしていたところに、潤いが戻ってきた。母が、花を活けるというのは、花から精気をもらうことだといつもいっているが、強烈に実感した。 ![]() Private Lessonの最終日。来週の金曜日からChuckたちが、ローマでの合宿に出かけるため。夏休み強化練習中の高校・大学の精鋭チームと一緒になる。マジ、フェンシング道をまっしぐらの男の子たちだ。18ぐらいで鍛えきった男子というのは、なんと迫力があるものだろうか。たった4人なのに、熱気で部屋がとても小さく感じる。 火曜日に引き続き、アドバンス→突きの、練習。しだいにランジェ→突き、アドバンス・ランジェ→突きを混ぜていく。 腕をまっすぐ伸ばし切り、ちょんと突きにならないようにするために、打った後も、ずっと剣先を相手の身体の残しておくよう指導を受ける。 この練習は、様々な距離に対応してフットワークを柔軟に使い分ける練習であるとともに、徹底的にスピードを上げる訓練らしい。 ・アドバンスヒット:腕を延ばす→すばやく脚をタタッと腕にあわせる。 ・ランジェヒット・腕と脚が同時 ・アドバンス・ランジェ・ヒット:腕が後。 脚を大きく踏み出すランジェと比べると、アドバンスヒットは、瞬間芸。タン、タ、タだ。これを繰り返しているうちに、とっさにスピードを出せるためには、腰を深く下ろして、膝を深く曲げておかないといけないことがわかってきた。ランジェみたいに踏み出しもしないでそのまま、タ、タと動くから、狂言の太郎冠者みたいな、ひょこひょこした所作である。 雄雄しいランジェと比べても、このタ、タを生み出すための腰の沈める構えが実はとても緊張を強いられるポーズであることがわかる。タ、タのリズムで能がでてきてしまうのは、もう、自分が日本人以外の何者でもないな、という感じ。でも、その身体イメージを使って、動きがモノにできるなら、何でもいいや。ここ1週かんぐらいほぼ毎日1キロ泳いでいるので体調がとてもよかったせいもあるのだろう。 「そうだ、腰を低く低くして、その位置をふらつかせないでキープして。」 「そのままランジェ!」 そうか、腰のポジションがいつも高くて、立ちんぼポジションだから、ランジェしようとすると、かがみこまないといけない。よっこらしょ、どすこい、って感じになり、スピードはその分ロスする。屈み構えだと、すぐ、前に平行移動するだけでいい。 能の構えって、静的に見えるけど、ものすごい動を含んでいたんだ。 【構え(かまえ)】 重心を低く落として力を溜めながら立つ基本的な姿勢を『構え』と呼びます。演じる役柄で『構え』は微妙に異なります。女性は肘を張らずに体のラインに沿って構え、男性は少し両腕を張り、足も開き加減にして全身に力をみなぎらせます。鬼や山伏では肩肘で更に大きく横幅を出します。 【運び(はこび)】 能独特の歩く型を『運び』と言います。歩行の芸術とも言われる能楽は、摺り足で進むことが基本で、踵を極力床から離さずにつま先だけを上げて歩きます。シテ方の面がブレることを避けるための技術が発達したものと思われます。 フェンシングのトレイニングの一つに、踵でコインを踏んだまま、ランジェして、コインをまっすぐ前方に飛ばす、というのがある。これは踵がずっと床に密着しないと出来ない技。すぐに、ランジェに移れるように、つま先に重点をおかず、踵に重点を置くのだ。上の記述も、面がぶれるのとは別に、次の動作にすばやく移れるという根本的な理由があるんじゃないかしら。 【鬼の構え】 鬼の『構え』は、静かな能の中でも大きなスケールを感じさせる姿勢となっています。他の役柄よりも重心を低く落とし、両手両足を大きく開いて強さを表します。 ヨーロッパでは17世紀から18世紀にダンスがシステムとして体系化され、それまで剣術を極めていた王侯貴族がダンスに血道を挙げるようになる。軟弱とも思えるが、ルイ14世を描いた映画、『王は踊る』などみると、剣術よりさらに動きがハードかもしれない。能と剣道の関係やいかに、なんて考え出すとキリがない。音楽と武術の間にあるのはダンスのような気がする。能もダンスとして、動きを分解してみることができたら面白そうだ。 写真とイタリック部分の引用:以下のサイトに「構え」と「運び」の動画があるので興味ある方はどうぞ。 出典:IPA「教育用画像素材集サイト」 http://www2.edu.ipa.go.jp/gz/ *** 翌日、膝まわりがバンバンに張ってしまった。
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